生き方を考える(人生・宗教・思想), あ行, か行, 既刊
いのちは即興だ
◆書籍データ
タイトル | いのちは即興だ |
著者名 | 近藤等則 |
発行年 | 2008年 |
ページ数 | 四六判上製 184ページ |
価格 | 1700円+税 |
ISBN | ISBN978-4-88503-197-7 |
◆書籍紹介
この世の中の息苦しさ、閉塞感を突破する!
著者は世界中の大自然の中でトランペットを即興 演奏し、地球との共振・共鳴感覚を体験してきた。 社会のワクに縛られずに思いきり自由に生きたい と願うすべての人に贈る、魂を奮い立たせる言葉。
目次抜粋
魂の大本から出る音を求めて
即興的な生き方
思考の癖に縛られている現代人
本物の気持ちよさはお金で買えない
地球との共振・共鳴感覚
芭蕉の心が観た世界
無心ですることの中にすべてがある
日本の先人たちのジャズ的な生き方
武道から学んだこと
最終的に決めるのは自分
本文抜粋
●いのちに突き動かされてきた
やっぱり自分の人生というのは、当然自分で決めていくんですけど、しばらく生きていると、何かいのちそのものに突き動かされているようなところもありますよね。自分が選択するというよりも、いのちにそうさせられているというようなね。
だから僕は、自分のいのちにウソをつかないで生きるってことはどういうことなのか、日々確認している気がしますね。自分のいのちに一日でも、一回でも、ウソをついたらやばいな、というのがあって。
そうしないと、「近藤等則」という社会からかぶせられたイメージに縛られて生きることになってしまいますからね。それが絶対できなかったから、毎年五千万から七千万稼いでいた生活を全部捨てたんですよ。
そうさせたのは、僕の中にある、すさまじいいのちのエネルギーですよね。
●地球との共振・共鳴感覚
やっぱり今は、有史以来最大の危機というか、温暖化が進み、資本主義システムも破綻しつつあるし、政治レベルでも、経済レベルでも、僕がやっている文化・表現レベルでも、確かに行き詰まっているような感じはしますけどね。でも僕自身は、15年近く地球の自然の中でトランペットを吹かせてもらったおかげで、今、えらく楽しいんです。
全体としての、種としての人間は行き詰まっているように見えるけれど、個としての人間は、けっこう面白く生きられる人たちも出てくるんじゃないかなと思いますね。僕もその一人でありたいわけですけど。
それで、今の人間社会が行き詰まっている原因の一つは何かというと、僕が思うには単純で、本当の意味での「地球との共振・共鳴感覚」というものを失ってしまったからではないかと思うんですね。
●わからないからこそ面白い
僕は、生きている楽しさは、生きているプロセスそのものにあると感じるんです。何か目標に到達して、はじめてハッピーになるんじゃなくて、やりたいことを夢中になってやっている、この瞬間瞬間のプロセスがもう面白いし、ワクワクすると。
だから僕の場合は、自分のいのちにウソをつかないで、一日一日を充実して生きるということしかないんですよ。それで、結果としていのちがどこに僕を導こうと、そこが自分に一番ふさわしいところなんだから、先の心配なんかしないで一日一日いのちが求めることを即興的にやっていく。そうすると、音楽でも、科学でも、ほかのジャンルでも同じだと思いますけど、ある種の不思議な領域に首を突っこむことになるんですよ。いのちというのは、どこへ自分を突き動かすか予測できないですからね。
でも、わからないからこそ夢中になれるんであって、わかっていることは、なかなか夢中にはなれないですよね。
●最終的に決めるのは自分
今までの社会のワクにとらわれた生き方をしていたら、新しいものは生まれないわけで、一人ひとりがいかに自分の無意識、自分のいのちを解放し、システムの中に飲みこまれずに生きていくか、それ以外に何か新しいものが出てくる可能性はないでしょうね。
社会がこうだから生きづらいんだと、社会のシステムのせいにすることは一つの論法としては絶対に間違っていないし、そういう考え方を育てることも必要なんですけどね。
それでも、自分が今どんな状況に置かれていようと、自分のいのちにウソをつかずに行動するか、それとも妥協するか、最終的に決めるのはやっぱり自分ですよね。
社会がどうだろうと、それは自分で決められる。 だから「誰に何と言われようが、自分のいのちに忠実に生きる」と腹を決めれば、いのちのエネルギーが爆発的に解放されて、新たな道を開いていくと思いますよ。
◆著者プロフィール
近藤等則(こんどう としのり)
1948年、愛媛県・来島海峡生まれ。中学1年でトランペットに出会い、京都大学入学と共にジャズに傾倒してゆく。卒業後、フリージャズミュージシャンを目指して上京、新体道に出会う。国内のミュージシャンたちとの共演後、78年ニューヨークに渡る。欧米のミュージシャンとの演奏ツアーが始まる。83年、世界で121回のライブをした。84年、東京にもどり、東京発世界へむけて活動するバンド、IMAを結成。映画・TV・CMなどへの出演、音楽提供などメディア露出を多数しつつ、IMAバンドでの海外ツアーを続ける。93年、IMAバンドを解散し、アムステルダムに拠点を移し、「地球を吹く」を開始。イスラエル・ネゲブ砂漠を皮切りに、ペルー・アンデス、ヒマラヤ・ラダック、沖縄・久高島、アラスカ・マッキンレー、熊野などで吹く。富士山の美化を呼びかける「Mt. Fuji Aid 2000」、ダライ・ラマ14世提唱による「世界聖なる音楽祭・広島 2001」などをプロデュース。07年、「地球を吹く in Japan」をスタート。
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