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まだ、まにあうのなら【増補新版】私の書いたいちばん長い手紙
タイトル | まだ、まにあうのなら【増補新版】 私の書いたいちばん長い手紙 |
著者名 | 甘蔗珠恵子 |
発行年 | 2006年 |
ページ数 | 四六判並製 168ページ |
価格 | 本体1000円+税 |
ISBN | ISBN4-88503-187-8 C0036 \1000E |
チェルノブイリ事故から20年、いまこそ「まだ、まにあうのなら」
《内容》 チェルノブイリ事故の一年後に書かれた一主婦の手紙。原発をめぐる様々な深刻な問題を訴え、人類は原子力と共存できないことを、母親として「いのち」の視点で切々と語る。87年に月刊「湧」増刊号として出されたブックレットは口コミで広がって50万部のロングセラーになっている。原発トラブルが頻発し、原発震災が心配される近年、そのメッセージはますます重要性を増している。本書はこれに加えて、著者の書き下ろし後19年経ったいまの思いを収録。また、『まだ、まにあうのなら』の触発されて浜岡原発に反対する活動を展開し、その裁判の冒頭で“勝ち負けでない私たちの願い”を感動的に語った馬場利子さんの陳述文と『まだ、まにあうのなら』に寄せる思いを綴った文章、さらに、『まだ、まにあうのなら』の英語版“Is It Too late?”を巻末に収録。
原発問題にとどまらず、いま私たちが直面しているあらゆる危機に対してどう対処していけばよいのかという問題に、大きなヒントを与えてくれます。
本文2頁より
何という悲しい時代を迎えたことでしょう。
今まで、自分の子どもに、家族に、ごく少量ずつでも、何年か何十年かのちには必ずその効果が現われてくるという毒を、毎日の三度、三度の食事に混ぜて食べさせている母親がいたでしょうか。
そのような恐ろしく、愚かしいことを、今の世の母親はほとんど知らずに、知っていてもどうすることもできず、できるだけ毒の少ないものを選んで食べるよりしょうがなく、おいしく楽しかるべき家族のための食卓の用意がとても重苦しく、罪の意識にさいなまれます。
食べものというのは、この生命を維持、生長させるために摂ります。
それなのに、生命を枯渇させる毒入り食べものを家族のために料理せねばならないなんて。
有害添加物入りプラス放射能入り食品を食べねばならない時代が来ようとは、誰が想像したでしょうか。
一年前に起きたソ連のチェルノブイリ原発事故後の、ソ連やヨーロッパの母親達の悲しみは想像を絶します。
ところが今や、対岸の火事ではなくなったのです。
*
本文53頁より
今私は絶望の崖っぷちに立って震えています。
人類滅亡の時が見えるようで――。
でも、その淵からまた見えるものも一方にあるのです。もし、もしこのことが実現したならば、この淵を乗り越えることができたならば、私達人類は生きのびて、そして今までとまったく違った価値観で世の中が動いてゆく…そんな世界がひろがるのだと。
ずーっとむこうに、一条の光を見る思いがするのです。
私達は今、岐路に立たされているのだと思っています。
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