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ダライ・ラマ 死と向きあう智慧

[品切]
タイトル ダライ・ラマ 死と向きあう智慧
著者名 ダライ・ラマ14世テンジン・ギャツォ著 ハーディング祥子訳
発行年 2004年
ページ数 四六判上製 256ページ
価格 2400円+税
ISBN ISBN4-88503-179-3 C0015 \2400E

早くから死に心を向ければ、
よりよく生きられ、恐れずに死を迎えられる。

ダライ・ラマ法王が、「パンチェン・ラマ一世の十七偈」について語り下ろした講話録。この十七偈は、死の恐怖を克服し、死のプロセスを利用してより高い境地へ到達するための修行法を説いた手引き書である。
ダライ・ラマ法王は、その意味を明らかにしながら、死について考えることの大切さ、死んでから次の生を受けるまでのプロセス、そのプロセスにおいて恐怖をいかに克服をするかなどを、目に浮かぶような鮮やかさで、わかりやすく語っている。

本文102~103頁より
死について考えることは、死の準備や、未来の生に善いものをもたらす行ないを促すだけでなく、精神的な面においても驚くほどの影響を及ぼします。たとえば、死の確実性をよく意識していない人なら、たとえ年老いて死が迫っているのが明らかでも、友人や家族はそれを現実として受け止められず、歳のわりに若く見えると言って、その人を慰める必要すら感じます。言うほうも言われるほうも、嘘だとわかっているにもかかわらずです。なんと愚かなことでしょう!
またときには、死ぬとわかっているガン患者でさえ、「死ぬ」とか「死」といった言葉を避けたがります。そんな人に、どうやって迫りくる死についての話ができるでしょうか。そういう人たちは、そんな話には耳をふさぎます。しかし、「死」という言葉さえ受け容れられない人々は、実際に死が訪れたとき、大きな不安や恐怖にとらわれる可能性があります。
他方、どうやら死が近づいているらしい修行者に会ったときには、わたしはためらいなくこう言います。「あなたが死ぬにせよ快復するにせよ、その両方に備える必要があります」そういう人とは、一緒に切迫した死について考えることができます。修行者は、後悔することなく死に直面するための準備をしてきているからです。
早いうちから無常についてよく考える人は、より勇敢に、より幸せに死を迎えることができます。死がいつやってくるかわからないと考えることが、安らいだ、訓練された、善い心をもたらすのです。なぜなら、その心は、この短い今生の表面的なことがらよりも大切なものを認識しているからです。

【目次】
編者まえがき
1章 死について考える
2章 恐怖から解き放たれる
3章 死の準備
4章 障害を取り除く
5章 望ましい状態で死ぬために
6章 死のプロセス
7章 内なる構造
8章 死の光明
9章 中有のプロセス
10章 良い生まれ変わりをする
11章 日々、偈に心を向けるために
付録 偈の大要と助言の要約
訳者あとがき

【著者プロフィール】
ダライ・ラマ14世 テンジン・ギャツォ チベット仏教の最高指導者。1935年7月6日、チベットのアムド地方のタクツェルという農村に生まれる。1940年、ラサのポタラ宮殿で即位。中国共産党によるチベット侵攻が激化するなか、1959年にインドへ亡命。以後、インドのダラムサラに樹立されたチベット亡命政府を代表する立場にある。1989年には、ノーベル平和賞を受賞。世界各国をまわって精力的に仏教の布教にあたり、慈悲と非暴力の教えを広めている。

【訳者プロフィール】
ハーディング祥子(しょうこ)
早稲田大学文学部、英国クライストチャーチカレッジ卒。訳書にジェーン・オースティン『エマ』(青山出版社)、ダライ・ラマ『死をみつめる心』(春秋社)、『すべてがうまくいかないとき』(めるくまーる)ほか多数。

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