日印の架け橋として生ききった牧野財士教授の遺稿
インドに渡って50年。日印共働の森林プロジェクトを支えつづけた著者が、その発端となった自然農法家、福岡正信氏とインドの出会いを克明に綴る。
福岡正信氏の自然農法の根底にある、無の哲学はインドで熱烈に支持された。自然を取り戻すには、人が自然に還らなければならない、という思想はインドで実を結んだ。
私と福岡先生との間柄は師のごとく、先輩のごとく、兄のごとく二十年余りに及んでいる。…福岡先生とインドに関する限り、私以外に誰一人知る由もない。
せめて私の存命中、急いでレポートとしてまとめ挙げておきたいと考え、再起筆をとった。
「福岡死すとも自然(真理)は死なず」、自然農法、砂漠緑化は永遠に続く。(本書まえがきより)
【目次】
まえがき
序章 福岡先生の自然農園
第一章 福岡先生第一回訪印<1987年12月>
第二章 福岡先生第二回訪印<1991年12月>
第三章 福岡先生最後の訪印<1997年10月>
第四章 ベンガルの虎 一革命狂児、バンナラール・ダスグプタ
終章 印度に広がる自然農法
あとがき
インド四十八年目のメッセージ
【解説】インド植林プロジェクトをめぐって
矢崎勝彦 著者年譜・著書
あとがき(牧野ユキ)
【著者プロフィール】
牧野財士(まきのさいじ)
1924年2月11日、京都府生まれ。鳥取高等農林学校獣医学科卒業。1958年、渡印。ワルダーのガンディー・アーシュラムに畜産技術指導員として入る。1962年、タゴール国際大学ヒンディー語学科卒業後、MP州の農業高等学校に着任。
1974年、タゴール国際大学日本語学科に着任。1989年、退官。1995年、勲四等瑞宝章受賞。1997年、宮沢賢治イーハトーブ賞受賞。2006年、インド政府ヒンディー語協会・ヒンディー語至宝賞受賞。2010年1月12日、ジャールカンド州にて永眠。
著書に『インド四十年 展望と回顧』、『タゴールとガンディー』上・下ほか。
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