きたるべきユビキタス情報社会の
人と自然と科学技術のあり方を
みずみずしい感性で描いた
ハートフルな物語。
《物語》 大学院生の翼は、祖父母のかばん持ちとして、ある地方の温泉町、高布町を訪れる。ときは201X年、人々の暮らしの隅々にまでICタグや携帯端末がゆきわたり、日本はユビキタス情報社会に突入し始めていた。そんななか高布町では、新しい情報端末「ルイカ」が開発され、人々が目立たない最先端技術にそっと支えられながら、まったく新しいかたちの地域通貨を使って、スローライフを満喫できるコミュニティを作りつつあった。ルイカの開発者である香成、ルイカを使って町の訪問者の世話をする遼子、ひきこもりの中学生とその父親など、翼とその家族をめぐって展開する、登場人物たちの「再生のドラマ」が、人間として生きるために欠かせないものを思い出せてくれると同時に、それを支えるテクノロジーがどのようなものであるべきかも教えてくれる。
【著者プロフィール】
関根 千佳(せきね ちか)
長崎県佐世保市生まれ。長崎県立佐世保北高校、九州大学法学部卒業。日本IBM SNSセンター課長を経て'98年、株式会社ユーディット(情報のユニバーサルデザイン研究所)を設立、アクセシブルなWeb構築やIT機器デザインのコンサルティングを行なう。総務省情報通信審議会、経済産業省日本工業標準調査会を始め、各省庁や自治体のユニバーサルデザインに関する委員会に多数参画。UDNJ(ユニバーサルデザインネットワークジャパン)理事。美作大・金沢大・東京女子大・東海大等の非常勤講師。主著に岩波書店『「誰でも社会」へ』等。
http://www.udit.jp/
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