なぜ人は病気になり、どのようにして治るのか?西洋医学とはまったく異なる身体観を展開するチベット医学の全貌を体系的にわかりやすく紹介した入門書。
からだの中に存在する3つの要素、ルン(風)・ティーパ(胆汁)・ペーケン(粘液)のバランスを通して病気をとらえるチベット医学の考え方と、尿診、脈診などのユニークな診断法、自然の生薬や食物などによる治療法を、現役の名医が語る。
【目次】
訳者まえがき
序文
チベット医学とは
一章 病とは何か
二章 チベット医学の学び方
第一部 身体
身体の根
三章 体のしくみ
四章 体液(ルン〈風〉、ティーパ〈胆汁〉、ペーケン〈粘液〉)
五章 身体の構成要素
六章 主因、補助因、侵入口
第二部 診断
診断の根
七章 脈診(その一)
八章 脈診(その二)
九章 問診
十章 尿診
第三部 治療
治療の根
十一章 生活態度
十二章 食生活(穀物と肉)
十三章 食生活(オイル、野菜、調理)
十四章 質疑応答
第四部 現代病とチベット医学
十五章 糖尿病
十六章 腫瘍
十七章 精力回復術と回春術
十八章 瞑想によって薬を変容させる
訳者あとがき
参考文献
さくいん
【著者プロフィール】
イェシェー・ドゥンデン(Yeshi Donden)
1921年、中央チベットのロカ地方に生まれる。1932年(11歳)よりラサの医学院(メンツィーカン)で医師としての正式な訓練を受け、1951年、故郷で開業、名医として名をはせる。1959年、インドに亡命。チベット難民の治療に専念する一方、ダライ・ラマ法王の侍医に任命され、1980年まで務める。その間、ダラムサラにチベット医学センター(現Tibetan
Medical and Astological Institute of H.H.the Dala Lama)を設立。現在はダラムサラで開業医として、インド各地や国外からやってくる大勢の患者を診察、その合間に欧米でチベット医学の講義を行なっている。著書に"Healing
from the Source"(Snow Lion)がある。
【訳者プロフィール】
三浦 順子(みうら じゅんこ)
東京生まれ。東京学芸大学卒業後インドへ渡り、ダラムサラのチベット難民の中で四年間過ごす。帰国後、チベット関係の翻訳や、来日したチベット高僧の通訳などを行なっている。主な訳書にジョン・F・アベドン『雪の国からの亡命』(地湧社・共訳)、ダライ・ラマ『愛と非暴力』、T・アリオーネ『智慧の女たち』(以上春秋社)、ダライ・ラマ『ダライ・ラマ 日々の瞑想』、ソギャル・リンポチェ『チベットの生と死の書』(以上講談社)など。
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