機械を使わず、除草せず、種さえも蒔かない牛まかせの牧場。
自然こそが財産。未来の農業がここにある。
無手勝流で自然に溶け込み、自然の循環にあずかって生産力を引き出す自然流酪農、それが斎藤式蹄耕法である。
蹄耕法とは、牛の生態と草の植生を組み合わせることで草地造成を行う牧畜技術のこと。
著者は戦後、旭川の雑草と笹の生い茂る急峻な岩山に入植、きびしい自然に開拓農業が行き詰まり、模索の末たどりついたのが、近代化、機械化に背を向けた独自の農法・蹄耕法による酪農だった。本書は牧畜の分野から人と自然と農業のあり方に新しい視点を与えるユニークな農業書である。
【目次】
序章 山の牧場
第一章 山で気付く
第二章 牧場を拓く
第三章 施設を作る
第四章 技術とは何か
第五章 山を見直す
終章 自然の中の人生
解説
【著者プロフィール】
斎藤晶(さいとうあきら)
1928年、山形県生まれ。1947年、北海道旭川神居町の岩だらけの急峻な山に入植。開拓農業にいきづまり、自然に対する発想を変え、酪農に転向。牛と牧草と雑草の生態を生かした蹄耕法による自然流酪農を確立。著書に『いのちの輝き感じるかい』がある。
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