1988年発行 四六判上製 224頁 本体1,500円+税 |
煩悩具足のままの救いにして、はじめてひとは最後の一人まで救われる。
歎異抄ほど、すべての人のこころに開かれている古典はない。
死刑囚のえん罪を訴え、すべてを賭けた再審請求の運動を通して著者は、人間性の弱さ、脆さに直面し、また自己の無力を思い知らされてきた。まさに地獄一定(じごくいちじょう)の救いなき身が現実であることを心底から見据えた著者が、その苦しみを乗りこえて今、改めて真の信仰の自由に生きた親鸞のこころを深く噛みしめ、その救いの言葉を現代に伝える歎異抄入門。苦しみの中、喜びの中、己を深く見つめ、己を真摯に歩むほどに、大いなる仏のいのちに生かされているという親鸞の言葉が人を力づけ続ける。人間の真実を生き抜く宗教がここにある。
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