ま え が き
予想を上まわる反響が まるで波紋のように 私は、福岡県のあるコミュニティFMで、地域に密着した番組づくりをしています。 「たったひとつの命だから」・・・これは、難病とたたかっていた女の子が大手術をしたあと、年賀状に書いた言葉です。力強く筆で書かれていました。その文字に深く心を揺さぶられたみなさんが、彼女はこのあとにどんな言葉を続けたかったんだろう? 自分だったらどう繋げるだろう? と繋ぐ言葉を集めることを思いついた、ということでした。 その後、ラジオの電波が届かない地域の方のために、集まったメッセージを朗読する会が、ワンライフプロジェクトによって各地で開かれるようになり、今では小学校や中学校でも行なわれています。 ワンライフプロジェクトは、少女からの年賀状を受け取った詩人、童涼景さんを代表に、主婦や高校生が参加している市民グループです。 どうして、こんなに言葉が寄せられるのだろう・・・ 私は、寄せられたメッセージの終わり数行に、その答えがあるような気がしています。 「たったひとつの命だから」 人の心に、深く深く響く言葉なのだと思います。 (岩坂浩子) |