本文2頁より 何という悲しい時代を迎えたことでしょう。 今まで、自分の子どもに、家族に、ごく少量ずつでも、何年か何十年かのちには必ずその効果が現われてくるという毒を、毎日の三度、三度の食事に混ぜて食べさせている母親がいたでしょうか。 そのような恐ろしく、愚かしいことを、今の世の母親はほとんど知らずに、知っていてもどうすることもできず、できるだけ毒の少ないものを選んで食べるよりしょうがなく、おいしく楽しかるべき家族のための食卓の用意がとても重苦しく、罪の意識にさいなまれます。 食べものというのは、この生命を維持、生長させるために摂ります。 それなのに、生命を枯渇させる毒入り食べものを家族のために料理せねばならないなんて。 有害添加物入りプラス放射能入り食品を食べねばならない時代が来ようとは、誰が想像したでしょうか。 一年前に起きたソ連のチェルノブイリ原発事故後の、ソ連やヨーロッパの母親達の悲しみは想像を絶します。 ところが今や、対岸の火事ではなくなったのです。 * 本文53頁より 今私は絶望の崖っぷちに立って震えています。 人類滅亡の時が見えるようで――。 でも、その淵からまた見えるものも一方にあるのです。もし、もしこのことが実現したならば、この淵を乗り越えることができたならば、私達人類は生きのびて、そして今までとまったく違った価値観で世の中が動いてゆく…そんな世界がひろがるのだと。 ずーっとむこうに、一条の光を見る思いがするのです。 私達は今、岐路に立たされているのだと思っています。 |