本文12〜13頁より 人の身体は、さらに視野を広げていくと、自然の一部であることがわかる。自然は世界と言い換えてもいい。そして、この世界に存在するものは、みなおなじ成分によってできている。そこに有機的な一体感がある。身体はそれを感じている。 にもかかわらず、脳にはそれがわからない。 身体から分離しているのだから、当然だ。それは同時に、自然から分離しているということでもある。つまり、世界から孤立している。 あなたがもし言いようのない孤独を感じることがあるとしたら、それは近くに愛する人がいないからではない。世界そのものから分離しているからだ。だからその孤独感は、人に愛されるだけでは決して癒されない。 本文58頁より ハラは、現実そのものである。脳の観念から離れ、大地にどっしりと根を下ろした、ある意味で当り前の、「生きている」という感覚と出会ってみる。脳を活用するのはその先である。愛もそうだ。大地の感覚が欠落していたら、どんなにすばらしい、天にも達する軸感覚をもっていたとしても、宝の持ち腐れである。まずはすべての起点が、自分自身の身体に眠っていることに気づくべきではないだろうか? 手応えのある、みずからの感覚に根ざした人生は、そこからはじまるのである。 |